第3章 サービスの利用手順#
本章では、本サービスの利用手順について説明します。
3.1 利用の流れと作業期間#
1.利用の流れ #
本サービスの利用の流れは以下の通りです。
番号のついた作業項目は、「3.2 利用手順」で作業の詳細を説明します。
2.作業期間#
移行データ容量を3TBとしたときの、「1.利用の流れ」に図示した各期間No.の作業期間は以下の通りです。ただし、これらはあくまでも目安であり、作業期間を保証するものではありません。
期間No. | 作業期間(目安) | 備考 |
---|---|---|
① | 5営業日~7営業日 | |
② | 3営業日~4営業日※10営業日以内に実施してください。 | 以下作業の作業期間(目安)は以下の通りです。 ■ 4.移行データ格納事前準備作業:約50時間 チェックサムの取得に時間を要します。ただし実行環境などにより変動します。 ■ 5.HDDへの移行データの格納:約16時間 BUFFALO社のHPに掲載しているディスク書き込み速度の計測値(450Mbps)をもとに算出したものです。ただし実行環境などにより変動します。 |
③ | 2営業日~4営業日 | |
④ | 4営業日~5営業日 | |
⑤ | 3営業日※10営業日以内に実施してください。 | 以下作業の作業期間(目安)は以下の通りです。 ■ 8.増設ストレージの受取:約1時間 ■ 9.データの整合性確認:約50時間 チェックサムの取得に時間を要します。ただし実行環境などにより変動します。 |
3.2 利用手順 #
本サービスの利用手順は以下の通りです。
1.申込書送付(お客様作業)#
本サービスを申し込むにあたり、以下資料をご確認ください。
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FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O データ持ち込みサービス サービス仕様書
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FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O データ持ち込みサービス 利用ガイド(本書)
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FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O データ持ち込みサービス 申込書
弊社担当営業より受領した申込書に必要事項を記載の上、弊社担当営業宛に送付してください。申込書には、お客様情報の他、HDDの配送に関する情報、データの移行方式に関する情報を記入してください。
2.申込受領(弊社作業)#
弊社にて申込書の内容を確認します。HDDの在庫状況によってはスケジュールの調整をお願いする場合があります。
3.HDD含む物品の配送(弊社作業)#
配送情報の連絡
お客様先へHDDを含む物品一式を配送するにあたり、事前に以下の配送情報をメールで連絡します。
-
配送日時
-
到着予定日(目安)
-
お客様先からの配送先である弊社事業所の宛先、住所等の情報
-
HDD収納ケースのダイヤル錠の暗証番号、等
物品の配送
以下のHDD含む物品一式を配送します。
-
HDD
-
USB3.0ケーブル
-
ACアダプター
-
HDD収納ケース
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物品チェックリスト
4.移行データ格納事前準備作業(お客様作業) #
移行データをHDDに格納する事前準備作業として、移行データのチェックサムを取得します。
チェックサムの取得方法について
チェックサムの取得方法としてWindowsの標準ツールで取得する例を以下に記載します。
-
実行コマンド
C:\>certutil -hashfile [対象ファイル] [ハッシュアルゴリズム]
-
ハッシュアルゴリズムに指定できる値
- MD2
- MD4
- MD5
- SHA1[デフォルト]
- SHA256
- SHA384
- SHA512
Example
以下の例は、移行データをDドライブ直下にある「test.zip」とし、ハッシュアルゴリズムをデフォルトの 「SHA1」として、チェックサムを取得したものです。
C:\>certutil -hashfile D:\test.zip
SHA1 ハッシュ (ファイル D:\test.zip):
a9 4a 8f e5 cc b1 9b a6 1c 4c 08 73 d3 91 e9 87 98 2f bb d3
CertUtil: -hashfile コマンドは正常に完了しました。
Note
データ格納時とデータ受取処理時でOSが異なる場合、格納時、受取時のどちらのOSでも指定できるハッシュアルゴリズムを選択してください。
5.HDDへの移行データの格納(お客様作業)#
HDDを含む物品一式を受領したら移行データを暗号化してHDDに格納します。その際、HDDの暗号化機能は利用しないでください。HDDの暗号化機能を利用するとHDD内のデータを読み取ることができず、移行できない可能性があります。
6.HDD含む物品の配送(お客様作業)#
移行データを格納したHDDを含む物品一式を配送用ケースに入れ、弊社指定の事業所宛に配送します。あわせて配送したことを弊社に連絡してください。
なお配送業者の手配、配送方法を選定する際には、配送業者が提供する重要データの配送に対応した配送サービスの利用を検討してください。
7.データ移行作業(弊社作業) #
HDD内の移行データを増設ストレージに移行します。HDDに格納した移行データが暗号化されている場合には、暗号化されたまま増設ストレージに移行されます。移行作業が完了したら、後続の「8.増設ストレージの受取(お客様作業)」の作業に必要な情報(「譲渡ID」および「認証キー」)を連絡します。
8.増設ストレージの受取(お客様作業) #
弊社からのデータ移行完了の連絡を受け取ったら、増設ストレージの受取処理を実施します。
受取処理は、FUJITSU Hybrid Service FJcloud-O IaaS API(Application Program Interface)を実行します。
APIの実行は、IaaSポータルで実行する方法と、コマンドで実行する方法の2つの方法で実施できます。
【IaaSポータルで実行する場合】
-
APIの実行
増設ストレージの受取処理を行うリージョンおよびプロジェクトを選択し、メニューから[API実行]を開き、実行します。
API実行のパラメータとして以下を入力します。
項目 値 リクエスト リージョン 増設ストレージを受け取るリージョン (例: jp-east-3 ) HTTPメソッド POST エンドポイント blockstorage(v3) URI /v3/プロジェクトID/os-volume-transfer/譲渡ID/accept
プロジェクトID:増設ストレージの受取処理を行うプロジェクトID
譲渡ID:弊社からのデータ移行完了連絡時にお伝えする譲渡IDクエリパラメータ -(設定不要) HTTPヘッダ -(デフォルト設定値から変更不要) リクエストボディ { "accept": { "auth_key": "認証キー" }}
認証キー:弊社からのデータ移行完了連絡時にお伝えするキー
Example
API実行パラメータの例は以下のとおりです。
POST /v3/xxxxxxxxx/os-volume-transfer/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxx/accept -H 'X-Auth-Token:xxxxxxx ' -H 'Content-Type:application/json' -H 'Accept:application/json' -d ' { "accept": { "auth_key": "xxxxxxxxxxxx" }}'
内容を確認後、[API実行] ボタンを押し、APIを実行します。
API実行が成功すると、レスポンスに以下のようなメッセージが表示されます。”volume_id”の値(下記のサンプルでは”xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx”)は、後続の仮想サーバと増設ストレージを接続する際に必要となります。
```
{
"Response": 202,
"Header": {
(省略)
},
"Body": {
"transfer": {
"links": [
{
"href": "https://blockstorage.jp-west-3.cloud.global.fujitsu.com/v3/xxxxxx /os-volume-transfer/xxxxxxx",
"rel": "self"
},
{
"href": "https://blockstorage.jp-west-3.cloud.global.fujitsu.com/xxxxxx/os-volume-transfer/xxxxxx",
"rel": "bookmark"
}
],
"id": "xxxxxx",
"name": null,
"volume_id": "xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
}
}
}
```
【コマンドで実行する場合】
-
API利用環境の準備
APIを実行するためには、予めAPIの利用環境を準備する必要があります。API利用環境の作成手順は、別紙「IaaS 初めてのシステム構築ガイド」の「利用者PCでのAPI実行環境構築」を参照してください。
-
APIの実行
前項の手順の「トークンの取得」まで実施したら、以下の手順に従ってAPIを実行します。
$ curl -X POST -Ss $BLOCKSTORAGE/v3/$PROJECT_ID/os-volume-transfer/譲渡ID/accept -H "X-Auth-Token: $OS_AUTH_TOKEN" -H "Content-Type: application/json" -d '{ "accept": { "auth_key": "認証キー" } }'
この実行APIに含まれる「譲渡ID」および「認証キー」は、本書「7.データ移行作業(弊社作業)」で弊社から連絡したものを利用します。
Example
「譲渡ID」が”1111111a-111b-111c-111d-11111111111e”、「認証キー」が” 111111111111111a”として、APIを実行した例です。
$ curl -X POST -Ss $BLOCKSTORAGE/v3/$PROJECT_ID/os-volume-transfer/1111111a-111b-111c-111d-11111111111e /accept -H "X-Auth-Token: $OS_AUTH_TOKEN" -H "Content-Type: application/json" -d '{ "accept": { "auth_key": "111111111111111a" } }'
以下のサンプルは、上記APIを実行したときのレスポンスの例です。”volume_id”に該当する値(下記のサンプルでは”fcexxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx”)は、後続の仮想サーバと増設ストレージを接続する際に必要です。
{"transfer": {"links": [{"href": "https://blockstorage.g2pstg-2.cloud.global.fujitsu.com/v3/424xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx", "rel": "self"}, {"href": "https://blockstorage.g2pstg-2.cloud.global.fujitsu.com/424xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx", "rel": "bookmark"}], "id": "6fcaxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx", "name": null, "volume_id": "fcexxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"}}
9.データの整合性確認(お客様作業) #
データが正しく移行されたかの整合性確認は、仮想サーバと増設ストレージを接続後、増設ストレージに移行したデータのチェックサムを取得し、本書の「4.移行データ格納事前準備作業(お客様作業)」で取得したチェックサムとの比較します。増設ストレージに移行したデータが暗号化されている場合には、復号してからチェックサムを取得してください。チェックサムの取得は、本書の「4.移行データ格納事前準備作業(お客様作業)」で取得した方法と同じです。
整合性確認が完了したら、予め弊社から送付する書類に整合性確認結果を記入し、弊社宛に返送してください。
10.HDDデータ削除(弊社作業)#
弊社でHDD内のデータを削除します。データの削除は、本書の「2.10 データ移行作業完了後のHDDのデータ削除方法」に従って実施します。