移行元OSがUbuntuの場合

対象リージョン:全リージョン

移行元仮想環境で稼働している仮想サーバのOSがUbuntuの場合、IaaS環境への移行に必要な作業を説明します。

このタスクについて

移行元となる仮想環境上および仮想サーバのOS上で、以下の作業を実施します。

重要:
  • 本手順に記載されたコマンド操作は一例であり、操作方法にはお客様環境により若干の差異がある場合があります。各操作はお客様の責任および判断にて、環境に応じて実行してください。
  • 仮想環境のコンソールを使用して操作してください。ネットワーク設定に影響があるため、リモートデスクトップなどの外部からは接続しないでください。

    例)VMware vSphere Clientから仮想マシンコンソールを起動、操作します。

  • 設定を変更する前に移行元仮想環境上でバックアップを取得し、復旧できるようにしておいてください。

手順

  1. VMware Toolsのアンインストール

    移行対象となる仮想サーバにVMware Toolsがインストールされている場合は、アンインストールしてください。

    # vmware-uninstall-tools.pl
  2. SSHサーバのインストール

    SSHサーバを、以下の手順でインストールします。

    # apt-get install openssh-server
    ヒント: 必要に応じてSSHサービスを設定してください。
  3. cloud-initのインストール

    cloud-initを、以下の手順でインストールします。

    # apt-get install cloud-init
    # dpkg-reconfigure cloud-init
  4. ブートログ出力先設定

    カーネルがブートログをttyS0デバイスに書き込めるように設定を変更します。

    1. /etc/default/grubを退避し、grubにカーネルがブートログをttyS0デバイスに書き込む定義を追加します。

      # cp -p /etc/default/grub /root/grub.bak
      # vi /etc/default/grub

      grubに以下の設定を追記します。

      GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=console=tty0 console=ttyS0,115200
      GRUB_TERMINAL=console
    2. 以下のコマンドを実行し、設定を反映します。

      # update-grub
  5. ネットワーク設定(DHCP接続)

    以下の手順でネットワーク設定を実施します。

    /etc/network/interfaces に定義されているネットワークインターフェースの定義で、DHCP接続となるよう設定します。

    # vi /etc/network/interfaces

    以下はeth0の設定例です。

    auto eth0
    iface eth0 inet dhcp
  6. MACアドレス削除
    1. 設定ファイルを退避します。ファイルが存在しない場合は作業不要です。

      # cp /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules \
      /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules.bak
      # cp /lib/udev/rules.d/75-persistent-net-generator.rules \
      /lib/udev/rules.d/75-persistent-net-generator.rules.bak
    2. MACアドレス情報を削除します。

      # rm /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules
      # rm /lib/udev/rules.d/75-persistent-net-generator.rules
      # touch /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules
      # touch /lib/udev/rules.d/75-persistent-net-generator.rules
  7. ファイアーウォール無効化
    1. iptables-persistentを以下のコマンドでインストールします。

      # apt-get install iptables-persistent
    2. iptables設定を初期化し、設定を永続化します。

      • ubuntu14以前の場合

        # iptables -F
        # /etc/init.d/iptables-persistent save
      • ubuntu16以降の場合

        # iptables -F
        # /etc/init.d/netfilter-persistent save
  8. cloud.cfgの設定

    /etc/cloud/cloud.cfgに対して、cloud-initの動作を設定します。

    # vi /etc/cloud/cloud.cfg

    仮想サーバのメタデータに関する定義を設定します。

    datasource_list: ['OpenStack']
    datasource:
      OpenStack:
        timeout: 180
    ヒント: 上記以外にもcloud-initの動作を設定できます。設定方法についてはcloud-initのサポートサイトを参照してください。
  9. OSのシャットダウン

    OSをシャットダウンします。

    # shutdown -h now