FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O Digital enhanced EXchange接続(プライベート接続)#
※FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O Digital enhanced EXchange接続(旧プライベート接続サービス)は以降、図中ではDEX(プライベート接続)と省略します。
1. 主な変更点#
以下の変更に伴う新リージョンのネットワーク構成、および注意事項を説明します。
カテゴリ | 変更点 |
---|---|
仮想ルータとネットワークの接続 | 1つのネットワークは、1つの仮想ルータのみ接続可能 |
ネットワークコネクター | プライベート接続はネットワークコネクターを経由せず、仮想ルーターに直接接続 |
2. 新リージョンのネットワーク構成#
仮想サーバは1つの仮想ルータを経由して、インターネット・オンプレ環境、およびIaaSが提供する「共通ネットワークサービス」に接続します。
- 仮想ルータを外部ネットワークに接続することで、デフォルトルートが自動的に設定されます。
- オンプレ環境のルータからBGPでルーティング情報が配信されるため、仮想サーバからオンプレ環境への接続は自動的に可能です。
- 共通ネットワークサービスについて
- OSのライセンス認証(KMS)、アップデート適用(WSUSやyum)などのサービスを提供
- 利用はIaaSからのアクセスのみ
【注意】オンプレ環境にあるサーバから、IaaSの仮想ルータを経由してインターネットに接続したい場合は、以下の対応を行ってください。
- IaaSの内部ネットワークにNATサーバを配備
- オンプレ環境のサーバは、NATサーバを経由してインターネットに接続
3. ネットワーク構成に関する注意事項#
上記の構成から、デフォルトルートをオンプレ環境側へ変更すると、共通ネットワークサービスを利用できない状態になります。
- 「仮想サーバはオンプレ環境経由でインターネットに接続したい」要件がある場合に該当します。
3.1. 新リージョンNG構成#
デフォルトルートをオンプレ環境側へ変更すると、IaaSの外部ネットワークを経由した接続ができなくなります。
新リージョンでは「1つのネットワークは、1つの仮想ルータのみ接続可能」です。
以下のように、仮想サーバが接続された内部ネットワークから複数の仮想ルータに接続し、通信経路を振り分ける構成はできません。
3.2. 旧リージョンOK構成#
旧リージョンでは「1つのネットワークは、複数の仮想ルータ(ネットワークコネクターを含む)に接続可能」なため、以下の通信経路を設定できます。
- 仮想ルータを経由した共通ネットワークサービスへの通信経路
- ネットワークコネクターからオンプレ環境を経由した、インターネットへの通信経路
3.3. 新リージョンOK構成#
注意事項に対する回避策は、以下の3つの中から選択してください。
- (1)仮想サーバで通信経路を振り分ける
- (2)NATサーバで通信経路を振り分ける
- (3)L3機能を持つ仮想サーバ(仮想アプライアンスIPCOM VE2m(以降IPCOM VE2m)等)で通信経路を振り分ける
注: 東日本/西日本リージョン3では、仮想ルータがDEX網からのデフォルトルート(0.0.0.0/0)の広報を受信しないように設定されています。IaaSのシステムからオンプレ環境を経由してインターネットへアクセスする場合は、仮想ルータがデフォルトルートの広報を受信できるよう、設定を変更する必要があります。 変更方法については、Digital enhanced EXchange利用ガイド「クロスコネクト for FJcloud-Oサービス」の「デフォルトルートの広報」に関する説明をご覧ください。
(1)仮想サーバで通信経路を振り分ける#
- 仮想ルータと内部ネットワークを2セット作成します。
- A:オンプレ環境接続用
- B:共通ネットワークサービス等への接続用
- 仮想サーバを2つのネットワークに接続します。
- 仮想サーバに通信経路を設定します。
(2)NATサーバで通信経路を振り分ける#
- 仮想ルータと内部ネットワークを2セット作成します。
- A:オンプレ環境接続用
- B:共通ネットワークサービス等への接続用
- 仮想サーバは「A:オンプレ環境接続用」のネットワークに接続します。
- NATサーバを構築し、2つのネットワークに接続します。
- NATサーバにDNAT設定を行います。
- 「A:オンプレ環境接続用」ネットワークのサブネットに通信経路を設定します。
(3)L3機能を持つ仮想サーバ(IPCOM VE2m等)で通信経路を振り分ける#
- 仮想ルータと内部ネットワークを2セット作成します。
- A:オンプレ環境接続用
- B:共通ネットワークサービス等への接続用
- 仮想サーバは「A:オンプレ環境接続用」のネットワークに接続します。
- L3機能を持つ仮想サーバ(IPCOM VE2m等)を構築し、2つのネットワークに接続します。
- L3機能を持つ仮想サーバ(IPCOM VE2m)にL3中継設定を行います。
- 「A:オンプレ環境接続用」ネットワークのサブネットに通信経路を設定します。