FUJITSU Cloud Service K5
IaaS 設計・構築ガイド(デザインパターン・実装サンプル集)

マルチAZ負荷分散構成


要求事項

データセンターの火災や大規模な電源障害など、アベイラビリティゾーン (AZ) の全体がダウンするような事態でも、
業務を継続したいといった要求事項に対応するパターンです。



対応するK5デザインパターン概要

K5 では、負荷分散を構成する際に、マルチAZ構成で冗長化のレベルを高めることが可能です。

マルチAZ接続パターン で AZ間のネットワークを接続した後、ロードバランサーを作成する際に、ロードバランサーを配備する
サブネットの設定項目に ネットワークコネクタ で接続した AZ1 と AZ2 の サブネット を設定するだけで、それぞれの AZ に
ロードバランサーが配備されます。



構造 (イメージ図)

以下の図は、ロードバランサーのタイプを "public" (インターネットに公開) で、 グレードを "Standard" にして、
AZ1/AZ2 に配備した場合の例です。

この場合、

  • インターネットからアクセス可能な FQDN が 1つ生成されます。
  • ロードバランサーの FQDN は、ラウンドロビンで、 各ロードバランサーに割り当てられたグローバルIPアドレスに名前解決されます。



実装サンプル

マルチAZ負荷分散を構成する手順は、マルチAZ接続 をした後に、外部負荷分散構成 と同じ手順で、
設定値をかえるだけとなります。

 (1) マルチAZ接続パターンで AZ1/AZ2 のサブネットを接続

 (2) ロードバランサー の配備の項目 "サブネット" に、AZ1/AZ2 のサブネット を設定



メリット・効果

マルチAZ負荷分散構成を利用した場合のメリット・効果は以下の通りです。

  • データセンターの火災や大規模な電源障害など、
    アベイラビリティゾーン (AZ) の全体がダウンするような事態でも業務を継続可能



注意事項

  • 本パターンは2015年11月時点のK5(IaaS)で動作検証しています。

  • 2015年12月3日時点で、ロードバランサーは1つのリスナーのみ設定可能です。

  • 負荷分散機能で証明書を利用する場合は、APIで証明書を登録してください。
  • 片方の AZ が障害となった場合、ロードバランサーの FQDN を名前解決すると、
    1/2 の割合で障害中の AZ 上のロードバランサーの IPアドレスが返却されます。
    障害が発生している AZ のロードバランサーには接続できませんので、
    クライアント側で http接続のリトライ処理を行うライブラリを使う等の対処をお願いいたします。



その他

特にありません。



関連資料

  • FUJITSU Cloud Service K5 マニュアル
    http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/k5/document/
    • サービスご紹介資料
    • IaaS 機能説明書
    • IaaS サービスポータルユーザーズガイド
    • IaaS APIユーザーズガイド
    • IaaS APIリファレンスマニュアル
    • IaaS HEATテンプレート解説書

(2015年11月検証)