FUJITSU Cloud Service K5
IaaS 設計・構築ガイド(デザインパターン・実装サンプル集)

仮想サーバの解放/復元


要求事項

K5では、仮想サーバを構築後、仮想サーバを停止("SHUTOFF")している状態でもコストが発生します。
本パターンは、この停止中の仮想サーバにかかるコストを抑制したいといった要求事項に対応します。



対応するK5デザインパターン概要

K5では、仮想サーバを停止させる際に運用コストを下げるための機能として、 "仮想サーバの解放" という機能が提供されています。

仮想サーバを構築した後に、 必要に応じて仮想サーバを起動したり停止したりする運用を行っている場合、
停止中の仮想サーバに"仮想サーバの解放" を行うとコストを抑制可能となります。

具体的には、仮想サーバの解放処理を行うと、仮想サーバに対して以下の処理が行われます。

  • 仮想サーバに割り当てられていた CPU およびメモリ資源が解放されます。
    ※解放された CPU およびメモリ資源は、他の仮想サーバで使用できる状態になります。

  • 解放処理を行った仮想サーバは、解放状態 ("SHELVED_OFFLOADED") となります。
  • 解放状態では、仮想サーバに対するコストが発生しなくなります。
    ※ストレージ等、仮想サーバ以外のコストは発生します。

また、解放状態の仮想サーバに対して、"仮想サーバの復元" という機能で復元処理を行うと、 仮想サーバに CPU および メモリ資源が
再度 割り当てられて 仮想サーバが起動します。



構造 (イメージ図)



実装サンプル

1.仮想サーバの解放 (shelve)

 (1) 仮想サーバの状態確認
   ポータルで「コンピュート」⇒「仮想サーバ」と選択し、仮想サーバの状態を確認します。
   状態が 起動状態("ACTIVE") または 停止状態 ("SHUTOFF") であれば、仮想サーバを解放することが可能です。


 (2) 仮想サーバの解放
   解放する仮想サーバの「アクション」メニューから「解放」を選択します。
   起動状態または停止状態の仮想サーバが解放されます。


 (3) 仮想サーバの状態確認
   仮想サーバの状態を確認します。
   手順は (1) と同じです。
   仮想サーバの状態が解放状態 ("SHELVED_OFFLOADED") に遷移したら、解放完了です。



2.仮想サーバの復元 (unshelve)

 (1) 仮想サーバの状態確認
   ポータルで「コンピュート」⇒「仮想サーバ」と選択し、仮想サーバの状態を確認します。
   仮想サーバの状態が解放状態 ("SHELVED_OFFLOADED") であることを確認します。


 (2) 仮想サーバの復元
   解放状態の仮想サーバの「アクション」メニューから「復元」を選択します。
   仮想サーバの復元処理を行います。

 (3) 仮想サーバの状態確認
   仮想サーバの状態を確認します。
   手順は (1) と同じです。
   仮想サーバの状態が起動状態 ("ACTIVE") に遷移したら、解放完了です。



メリット・効果

仮想サーバの解放/復元 パターンを利用した場合のメリット・効果は以下の通りです。

  • 仮想サーバを稼働させない時間は、仮想サーバを解放 (shelve) することで、
    仮想サーバにかかるコストを抑制可能



注意事項

  • 本パターンは2017年5月時点のK5(IaaS)で動作検証しています。

  • 解放処理を行う対象の仮想サーバを、あやまって別のサーバにしてしまわないようご注意ください。

  • 解放状態の仮想サーバに対して、以下の操作を行うことはできません。

    - ポートの接続/接続解除
    - ブロックストレージのアタッチ/デタッチ
    - 仮想サーバのタイプ変更
    - 仮想サーバの再作成
    - 仮想サーバの停止/起動



その他

仮想サーバを復元すると、仮想サーバは起動状態 ("ACTIVE") となります。



関連資料

  • FUJITSU Cloud Service K5 マニュアル
    http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/k5/document/
    • サービスご紹介資料
    • IaaS 機能説明書
    • IaaS サービスポータルユーザーズガイド
    • IaaS APIユーザーズガイド
    • IaaS APIリファレンスマニュアル
    • IaaS HEATテンプレート解説書

(2017年5月検証)