FUJITSU Cloud Service K5
IaaS 設計・構築ガイド(デザインパターン・実装サンプル集)

SorryPageパターン


要求事項

以下のように、K5でロードバランサーを使用している際に、トラブルや保守など何らかの要件で、
負荷分散対象の仮想サーバが出力するページではなく別のページを表示したい、
といった要求事項に対応するパターンです。

  • ロードバランサーから負荷分散対象の仮想サーバへアクセスしたときに、
    すべての仮想サーバが無応答や異常となっている場合、何らか画面を表示したい
  • アプリケーションの保守等で一時的に仮想サーバへのアクセスを停止する際に、
    何らか画面を表示したい



対応するK5デザインパターン概要

一般に 負荷分散構成 では、負荷分散対象の仮想サーバの 処理能力 を超えたアクセス等により、すべての仮想サーバで
無応答 や 異常 になる可能性があります。K5では、このように ロードバランサー から 仮想サーバ にアクセスできない場合に、
別の URL へリダイレクトする機能が用意されています。

この機能は、仮想サーバに搭載している アプリケーションの保守 等のタイミングで、一時的に、ロードバランサーから すべての
仮想サーバへのアクセスを停止する際に、"現在サービスメンテナンス中" である等何らか画面を表示したいといった用途にも
使用できます。

以下では、すべての仮想サーバにアクセスできない場合に リダイレクト するイメージ図と、ロードバランサー での リダイレクト の
設定について記載します。



構造 (イメージ図)



実装サンプル

すべての仮想サーバにアクセスできない場合にリダイレクトする手順は、 外部負荷分散構成 の以下の手順を参照してください。



メリット・効果

SorryPageパターンを利用した場合のメリット・効果は以下の通りです。

  • 仮想サーバで処理しきれないアクセスがあった等の突発的なトラブルの際や、
    アプリケーションの搭載等の保守の際に、
    サービスの利用者に適切なメッセージを表示することが可能



注意事項

  • 本パターンは2015年11月時点のK5(IaaS)で動作検証しています。

  • 本パターンはロードバランサーの機能を用いているため、以下の場合には対応できません。
    - 単一のアベイラビリティーゾーンでシステムを構成している場合で、
     当該システムのアベイラビリティーゾーンで障害の場合
    - リージョン単位の障害の場合



その他

サーバにアクセスできない時にアクセス先のサーバを切り替えるパターンとして、
ロードバランサーとは別に、DNS のフェイルオーバ機能を用いるパターンもあります。
DNS フェイルオーバを用いると、ロードバランサーを用いないシステムで、
仮想サーバが停止した際に別の仮想サーバに切り替えることができます。

※DNS のフェイルオーバでは、仮想サーバの IPアドレスに対する DNS の Aレコード/AAAAレコードに、
ヘルスチェックのオプションを設定します。
仮想サーバが停止した際は、DNS サーバが別のサーバのIPアドレスを回答することで、
接続するサーバが切り替えられます。

ただし、ロードバランサーに対しては、DNS フェイルオーバの設定はできません。
その他、DNS のフェイルオーバについては、機能説明書を参照してください。



関連資料

  • FUJITSU Cloud Service K5 マニュアル
    http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/k5/document/
    • サービスご紹介資料
    • IaaS 機能説明書
    • IaaS サービスポータルユーザーズガイド
    • IaaS APIユーザーズガイド
    • IaaS APIリファレンスマニュアル
    • IaaS HEATテンプレート解説書

(2015年11月検証)