ユースケースとキャッシュ動作制御ルールの記述例
対象リージョン:全リージョン
コンテンツ配信サービスを利用するにあたって、典型的なユースケースを例にとり、作業手順とキャッシュ動作制御ルールの記述例を示します。
- Webサイトのコンテンツ配信
- 独自ドメインでのコンテンツ配信
- セキュアーにコンテンツ配信
- 独自ドメインでセキュアーにコンテンツ配信
- コンテンツの差し替え
- コンテンツの更新頻度の見直し
- 特定条件でのアクセス制限
- コンテンツ配信の終了
Webサイトのコンテンツ配信
-
構築手順の例
- 仮想サーバを作成し、オリジンサーバとなるWebサーバを構築します。
- 必要に応じて、ロードバランサー(例: http://lb-001.loadbalancing-jp-east-1.cloud.global.fujitsu.com)、データベースなども構築します。
- オリジンサーバにコンテンツをアップロードします。
- ブラウザを使用して、オリジンサーバにアクセスできることを確認します。
-
コンテンツ配信サービスAPIを利用して、配信設定を作成します。
このときAPIのパラメーターに指定するキャッシュ動作制御ルールに、ロードバランサーのURLを指定します。キャッシュTTLは、仮に3日 (3d) を指定します。
- API実行の結果、配信URLが取得できます。(例: http://xxx-123abc.cdn-edge.cloud.global.fujitsu.com)
- ブラウザから、配信URLを入力してアクセスできることを確認します。
-
キャッシュ動作制御ルールの例
{ "rules": [ { "matches": [ { "name": "url-wildcard", "value": "/*" } ], "behaviors": [ { "name": "origin", "value": "-", "params": { "digitalProperty": "-", "originDomain": "lb-001.loadbalancing-jp-east-1.cloud.global.fujitsu.com", "cacheKeyType": "origin", "cacheKeyValue": "-", "hostHeaderType": "origin", "hostHeaderValue": "-" } }, { "name" : "caching", "type" : "honor" "value" : "3d" } ] } ] }
独自ドメインでのコンテンツ配信
-
構築手順の例
ヒント: 独自ドメインの名前解決にDNSサービスを使用する場合、あらかじめお客様の所有するドメイン名のCNAME設定ができるようにします。詳細は DNSサービスを参照してください。-
Webサイトのコンテンツ配信に記載した手順などで配信設定を作成し、配信URLを取得します得ます。
このとき、APIパラメーターの配信FQDNには、独自ドメイン(例:www.example.com)を指定します。
- ブラウザから、配信URLを入力してアクセスできることを確認します。
-
DNSサービスを使用し、CNAMEレコードを作成します。
このとき、CNAMEの設定として、独自ドメインがcommon-http.cdn-edge.cloud.global.fujitsu.comを指すように作成します。
- ブラウザを使用して、独自ドメインにアクセスできることを確認します。
-
-
キャッシュ動作制御ルールの例
{ "rules": [ { "matches": [ { "name": "url-wildcard", "value": "/*" } ], "behaviors": [ { "name": "origin", "value": "-", "params": { "digitalProperty": "www.example.com", "originDomain": "lb-001.loadbalancing-jp-east-1.cloud.global.fujitsu.com", "cacheKeyType": "origin", "cacheKeyValue": "-", "hostHeaderType": "origin", "hostHeaderValue": "-" } }, { "name" : "caching", "type" : "honor" "value" : "3d" } ] } ] }
セキュアーにコンテンツ配信
-
構築手順の例
-
オリジンサーバが、お客様が作成した仮想サーバマシンまたはロードバランサーの場合、SSL証明書を用意してください。使用可能な証明書については、 セキュアー配信を参照してください。
ヒント: オリジンサーバがHTTPS接続だけしか受け付けない場合は、443番ポートだけを開放してください。 -
Webサイトのコンテンツ配信に記載した手順で、配信設定を作成します。
このとき、APIパラメーターの配信プロトコルにはhttpsを指定します。さらに、エッジサーバでHTTPSの接続だけを受け付けるようにするには、キャッシュ動作制御ルールにHTTPSを指定します。
- API実行の結果、HTTPSの配信URLが取得できます。
- ブラウザから、配信URLを入力してアクセスできることを確認します。
-
-
キャッシュ動作制御ルールの例
{ "rules": [ { "matches": [ { "name": "url-wildcard", "value": "/*" }, { "name": "url-scheme", "value": "HTTPS" } ], "behaviors": [ { "name": "origin", "value": "-", "params": { "digitalProperty": "-", "originDomain": "lb-001.loadbalancing-jp-east-1.cloud.global.fujitsu.com", "cacheKeyType": "origin", "cacheKeyValue": "-", "hostHeaderType": "origin", "hostHeaderValue": "-" } }, { "name" : "caching", "type" : "honor" "value" : "3d" } ] } ] }
独自ドメインでセキュアーにコンテンツ配信
-
構築手順の例
コンテンツ配信に用いたい独自ドメイン名を、仮にwww.example.comとします。オリジンサーバとなるドメイン名を、仮にorigin.example.comとします。
- はじめに、オリジンサーバ(origin.example.com)を構築してください。オリジンが仮想サーバ、またはロードバランサーの場合は、サーバ証明書をお客様にて用意してインストールします。証明書についてはセキュアー配信を参照してください。
- 申込書で指定する証明書がDV型証明書の場合は、以下の手順を実施してください。その他の型の場合は 3に進んでください。
- 認証(ドメイン存在確認)のため、一時的に、www.example.comをDNS CNAMEレコードにてorigin.example.com に振り向けます。さらに、httpsの443番ポートに加え、httpの80番ポートも開放します。
- httpで認証に使用するディレクトリへのアクセスをエッジサーバにリダイレクトする設定を行います。サンプルを以降に示します。
- 申込書によりwww.example.comの申し込みを行います。詳細は、セキュアー配信を参照してください。
-
申込書で指定した証明書に応じた、組織存在確認(Validation)を実施してください。
詳細は以下のとおりです。
-
DV型証明書
組織存在確認(Validation)は必要ありません。
-
OV型/EV型証明書
組織存在確認(Validation)が必要です。
申請組織の存在確認を実施します。
ヒント:お客様や会社の代表メールアドレス・代表者番号などに対して認証局・弊社・Akamai社から連絡が入る場合があります。
-
- 申し込みの完了時に提示する資料の内容を確認し、APIにて配信設定を作成します。このとき、APIパラメーターの配信プロトコルにはhttps、FQDN情報には申し込み時に指定したFQDN(例 www.example.com)を指定します。
- ブラウザを使用して、独自ドメインにアクセスできることを確認します。
-
Apache httpdの設定ファイル追記例
<Directory "(DocumentRoot)"> (略) RewriteEngine On RewriteCond %{REQUEST_URI} ^/.well-known/acme-challenge/ [NC] RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f RewriteRule . http://dcv.akamai.com%{REQUEST_URI} [L] </Directory>
-
キャッシュ動作制御ルールの例
{ "rules": [ { "matches": [ { "name": "url-wildcard", "value": "/*" }, { "name": "url-scheme", "value": "HTTPS" } ], "behaviors": [ { "name": "origin", "value": "-", "params": { "digitalProperty": "-", "originDomain": "origin.example.com", "cacheKeyType": "origin", "cacheKeyValue": "-", "hostHeaderType": "origin", "hostHeaderValue": "-" } }, { "name" : "caching", "type" : "honor" "value" : "3d" } ] } ] }
コンテンツの差し替え
Webサイトのコンテンツ配信に記載した手順で、配信設定を作成済みであることを前提とします。
-
作業手順の例
- オリジンサーバ上の画像ファイル、PDFファイルなどを差し替えます。
- エッジサーバ上の指定オブジェクトの「キャッシュの消去」を行います。
- 一定期間経過後にブラウザから配信URLにアクセスし、差し替えたオブジェクトが表示されることを確認します。
コンテンツの更新頻度の見直し
Webサイトのコンテンツ配信に記載した手順で、配信設定を作成済みであることを前提とします。
-
作業手順の例
- 指定オブジェクト(URLなど)のTTL設定を1時間に変更します(晴れアイコンなどの画像のキャッシュTTLはそのままとします)。
- 以降は、エッジサーバに1時間キャッシュが保持されます。
-
キャッシュ動作制御ルールの例
{ "rules": [ { "matches": [ { "name": "url-wildcard", "value": "/*" } ], "behaviors": [ { "name": "origin", "value": "-", "params": { "digitalProperty": "-", "originDomain": "lb-001.loadbalancing-jp-east-1.cloud.global.fujitsu.com", "cacheKeyType": "origin", "cacheKeyValue": "-", "hostHeaderType": "origin", "hostHeaderValue": "-" } }, { "name" : "caching", "type" : "fixed" "value" : "3d" } ], "matches": [ { "name": "url-extension", "value": "jsp" } ], "behaviors": [ { "name" : "caching", "type" : "fixed" "value" : "1h" } ] } ] }
特定条件でのアクセス制限
Webサイトのコンテンツ配信に記載した手順で、配信設定を作成済みであることを前提とします。
-
作業手順の例
- キャッシュ動作制御ルールを編集し、「配信設定の編集」機能で、指定パス以下のアクセス地域を日本だけに変更します。
- 以降は、日本以外からのアクセスが除外されます。
-
キャッシュ動作制御ルールの例
{ "rules": [ { "matches": [ { "name": "url-wildcard", "value": "/*" } ], "behaviors": [ { "name": "origin", "value": "-", "params": { "digitalProperty": "-", "originDomain": "lb-001.loadbalancing-jp-east-1.cloud.global.fujitsu.com", "cacheKeyType": "origin", "cacheKeyValue": "-", "hostHeaderType": "origin", "hostHeaderValue": "-" } }, { "name" : "caching", "type" : "honor" "value" : "3d" } ], "matches": [ { "name": "url-wildcard", "value": "/domestic/*" } ], "behaviors": [ { "name": "geo-whitelist", "type": "country", "value": "JP" } ] } ] }
コンテンツ配信の終了
-
作業手順の例
- 独自ドメインを使用している場合は、CNAME先を配信URLから、お客様のオンプレ環境などのURLに戻します。
- 「配信設定の削除」機能を使用して、配信設定を削除します。