仮想ルータ機能
対象リージョン:東日本第3/西日本第3
外部ネットワークと内部ネットワークまたはネットワーク同士を接続するための仮想ルータ機能を提供します。
ネットワークと仮想ルータの関係を、以下の図に示します。
仮想ルータの作成
以下の項目を指定して、仮想ルータを作成します。
項目 | 説明 | 必須 |
---|---|---|
仮想ルータ名 | 仮想ルータを識別する名称 |
仮想ルータの情報変更
既存の仮想ルータに対し、設定情報を変更します。仮想ルータを外部ネットワークに接続するには、本機能で外部ネットワークを設定します。
項目 | 説明 | 必須 |
---|---|---|
仮想ルータ名 | 変更したい名称 | |
外部ネットワークID |
外部ネットワークのID 外部ネットワークIDはサブネット一覧から確認できます。 |
仮想ルータとネットワークのアタッチ
既存の仮想ルータに対し、新たにサブネットを追加でアタッチする場合は、以下のように操作します。
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追加でアタッチしたいサブネットにポートを作成します。
アタッチ先となる仮想ルータのサブネットにゲートウェイアドレスが指定されている場合、同じアドレスを使用してポートを作成してください。
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作成したポートを仮想ルータにインターフェースとして追加します。
同じ仮想ルータにアタッチされたサブネット同士が仮想ルータ経由で通信できるよう、自動的にルーティングテーブルが設定されます。
- 仮想ルータを多段に構成できません。1つのネットワークにつき、アタッチできる仮想ルータは1つです。
- 仮想ルータにアタッチされたサブネットのゲートウェイアドレスに「null」を設定できません。
- 仮想ルータにアタッチされたサブネット配下に仮想サーバが存在していない場合、サブネットのゲートウェイアドレスに通信できません。
- 仮想ルータにアタッチされたサブネットのゲートウェイアドレスへの pingおよび tracerouteを実行した場合、優先度の低いトラフィックとして扱われ、同一サブネット内の他の通信ノードと比べたレスポンスは相対的に低くなります。
仮想ルータの削除
不要になった仮想ルータを削除します。
- 仮想ルータにサブネットがアタッチされている場合、仮想ルータは削除できません。事前にすべてのサブネットをデタッチしておく必要があります。
- ポートに allowed_address_pairsパラメータが設定されている場合、allowed_address_pairを解除してからルータをデタッチしてください。
NAT機能
仮想ルータでは以下のNAT機能が使用できます。
-
SNAT
ネットワークからFJcloud-O以外のネットワークに向けての通信
SNAT機能は、外部ネットワークに接続された仮想ルータのサブネットのリソースからの通信だけ有効です。
デフォルトではSNAT機能が無効です。SNAT機能を有効にするには、external_gateway_infoパラメータ、および SNAT通信可否(nuage_underlay)パラメータの指定が必要です。nuage_underlayパラメータには、SNAT通信なしの場合は「off」、SNAT通信ありの場合は「snat」を指定してください。
nuage_underlayパラメータの詳細については、APIリファレンス(東日本リージョン3/西日本リージョン3)の「API詳細(Routers)」を参照してください。
SNAT機能を利用する場合は、リージョンごとに設定されたSNATアドレスプールのグローバルIPアドレスが使用されます。このグローバルIPアドレスは物理ホスト上の他の利用者の仮想サーバも含むすべての仮想サーバで共有され、インターネットへ通信する際にSNAT機能により送信元IPアドレスだけでなくポート番号も変換します。変換後のグローバルIPアドレスおよびポート番号について、指定または固定することはできません。
SNAT機能に関する上限値については、制限値の「仮想サーバに関する制限値一覧」を参照してください。
注:- FJcloud-OのIaaSサービス以外で管理されたIPアドレス(例えば、プライベート接続で接続された利用者のオンプレミスのネットワークのIPアドレス)に対するSNATはサポート対象外です。
サポート対象外のアドレスから、IaaSの仮想ルータを経由する外部のインターネットへの通信が必要な場合は、ProxyまたはNATの機能を持たせた仮想サーバをプロジェクトに設置し、その仮想サーバにてアドレスを変換する必要があります。
- グローバルIPアドレスが設定されていない仮想サーバ上のポートからSNATを利用してインターネット、同一リージョン内のグローバルIPアドレスへ通信する場合、利用者自身または他の利用者の仮想サーバからの同時アクセスなどにより、送信元ポート番号変換に必要なポート番号が枯渇し、通信できない状況となる場合があります。通信要件として通信の安定性を求める場合は、仮想サーバのポートにグローバルIPアドレスを割り当ててください。
- 専有仮想サーバ利用の場合は、利用者自身の仮想サーバの通信方式(KeepAliveによる長時間の通信コネクション残留など)を見直すことで、インターネット宛の同時アクセスを適切に制御し、送信元ポート番号変換に必要なポート番号の枯渇発生を抑制することができます。
- FJcloud-OのIaaSサービス以外で管理されたIPアドレス(例えば、プライベート接続で接続された利用者のオンプレミスのネットワークのIPアドレス)に対するSNATはサポート対象外です。
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DNAT
FJcloud-O以外のネットワークからネットワークに向けての通信
リソースのポートにグローバルIPアドレスを割り当てた場合は、そのグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを相互にアドレス変換します。
プロジェクト間ネットワーク接続機能
プロジェクト間ネットワーク接続機能の詳細については、「ネットワークRBAC (Role-Based Access Control)」を参照してください。
ヘルプデスク経由で設定したプロジェクト間ネットワーク接続機能の詳細、設定解除については、「プロジェクト間ネットワーク接続 利用ガイド」を参照してください。
※以降、ヘルプデスク経由の新規設定申請はせずに「ネットワークRBAC (Role-Based Access Control)」を利用してください。
- 仮想ルータにデフォルトルート(0.0.0.0/0)が設定されている場合、その仮想ルータ配下の仮想サーバは、FJcloud-O以外のネットワークに接続できません。
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外部ネットワークが接続されている仮想ルータにスタティックルートを設定する場合、プライベートアドレスだけ設定できます。
代表的な例の設定可否を示します。
表 3. 代表的な例の設定可否 IPアドレス 設定可否 0.0.0.0/0 × 100.64.0.0/16 × 100.64.0.0/24 × 100.64.0.0/32 × 133.162.0.0/16 × 10.0.0.0/8 ◯ 172.16.0.0/16 ◯ 172.16.0.0/24 ◯ 192.168.0.0/24 ◯ 192.168.0.0/32 ◯ - 仮想ルータの更新時に、external_gateway_info(外部ゲートウェイの情報)とroutes(仮想ルータのルーティング情報)を同時に削除する場合は、事前に以下の操作を実施してください。
- 更新する仮想ルータ配下に割り当てられたFloating IPを全て解除する
- 更新する仮想ルータ配下のインターネットに公開しているSSL-VPNとpublicタイプの、ロードバランサー(NFV)を全て削除する
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DEXサービスに接続している仮想ルータにデフォルトルート(0.0.0.0/0)を設定した場合、DEXサービス側にデフォルトルートは伝達されません。
DEXサービスの詳細については、「DEX(Digital enhanced EXchange)」を参照してください。
- 仮想ルータを外部ネットワークに接続すると、仮想ルータにEXTERNAL_FIXED_IPが設定されます。現時点では、この設定による仮想ルータの動作に影響はありません。