仮想サーバインポート(仮想環境間移行)とは

対象リージョン:全リージョン

お客様のオンプレミス仮想環境で動作している仮想サーバを、 IaaSへ移行する機能です。お客様で採取していただいたイメージファイルを、IaaSで利用可能なイメージファイルとして登録する機能を提供します。

本機能の利用イメージを以下に示します。
図: 仮想サーバインポートの利用イメージ


サポートする移行元仮想環境

サポートする移行元仮想環境の一覧を以下に示します。

どの仮想環境でもBIOS起動が対象です。UEFI起動は対象外です。

表 1. 移行元仮想環境一覧
仮想環境 製品およびバージョン
VMware
  • ESXi 7.0
  • vCenter Server 7.0
KVM(※)
  • Linux kernel 3.10.0以降

※:東日本リージョン3/西日本リージョン3の場合だけ利用できます。

インポート可能な移行元ゲストOS

インポート可能な移行元ゲストOSの一覧を以下に示します。

注: アプライアンス製品はサポート対象外です。
表 2. 移行元ゲストOS一覧
OS種別 対象OS
Windows
  • Windows 2016 SE 64bit (日本語版、英語版)
  • Windows 2019 SE 64bit (日本語版、英語版)(※)
  • Windows 2016 SE / SQL Server 2016 SE 64bit (日本語版)
  • Windows 2019 SE / SQL Server 2019 SE 64bit (日本語版)(※)
Linux
  • CentOS 7.1, 7.2, 7.3, 7.4, 7.5, 7.6, 7.7, 7.8 64bit
  • RHEL7 64bit
  • RHEL8 64bit(※)
  • Rocky Linux 8.5, 8.6, 8.7 64bit(※)
  • Ubuntu 18.04 LTS 64bit

※: 東日本リージョン3/西日本リージョン3の場合だけ利用できます。

提供機能

機能 説明
仮想サーバイメージのインポート

お客様のオンプレミス仮想環境で動作している仮想サーバから作成したイメージを指定してインポートを実施します。

インポートの依頼は即座に復帰します。依頼したインポート処理が完了しているか否かは、「インポート状況の取得」機能で確認できます。

インポート状況の取得

インポート依頼時に発行されたインポートIDを指定して、インポート状況を取得します。

インポート状況一覧の取得

インポート状況の一覧を取得します。

  • インポートを実施した日時が新しいものから順に取得されます。
  • 使用したトークンのプロジェクト内で依頼したインポート状況だけ取得できます。
実行中のインポート処理の中止

インポート依頼時に発行されたインポートIDを指定して、対象のインポート処理を中止します。

インポート処理中止の依頼は即座に復帰します。依頼したインポート処理が中止されたか否かは、「インポート状況の取得」機能で確認できます。

移行元仮想サーバ構成の制約

  • ディスク構成

    インポートできるのは、起動ディスクとなっているシステムストレージだけです。

    また、以下の条件に一致するものがある場合は、未サポートです。

    • ダイナミックディスク(OS種別がWindowsの場合)
    • NTFS/FAT32以外のフォーマット(OS種別がWindowsの場合)
    • BitLockerで暗号化されたディスク(OS種別がWindowsの場合)
    • Windowsフォルダーを 、デフォルトの"\Windows" から変更した(OS種別がWindowsの場合)
    • ボリュームの "NODEFAULTDRIVELETTER" 属性が有効(OS種別がWindowsの場合)
    • GPT形式のディスク
    • マルチブート環境
  • ネットワークインターフェース

    ネットワークインターフェースを1つ定義している必要があります。

  • 仮想サーバ名

    SQL Serverが同梱されたイメージをインポートした仮想サーバイメージから仮想サーバを作成する場合は、移行元と同じ仮想サーバ名を設定してください。

    移行元と異なる名前で仮想サーバを作成すると、SQL Server Reporting Servicesが利用できなくなります。

    ヒント:

    移行元と異なる名前で仮想サーバを作成した場合のSQL Server Reporting Servicesの利用方法

    レポートサーバの接続先DBサーバ名を、仮想サーバ名に合わせて変更してください。なお、レポートサーバの設定変更にはReporting Services構成マネージャーを使用してください。

    Reporting Services構成マネージャーの操作方法については、Microsoft社のSQL Serverのリファレンスマニュアルを参照してください。

  • Sysprep

    仮想サーバを複製する場合は、移行元仮想環境またはインポート後の仮想サーバでSysprepを実施してください(OS種別がWindowsの場合)。Sysprepや応答ファイルの使用方法については、Microsoft社のテクニカルサポートをご参照ください。

    注:

    Sysprepコマンドを実行し、OS起動時にSysprepが実施されるイメージをインポートする場合は、以下の点に注意してください

    • SysprepはOOBE (Out-of-Box Experience) モードを使用した一般化設定のみご利用ください。その際に、応答ファイルを用意してください。
    • 上記以外の場合は初回起動時にシステムウィザード画面になり、この時点ではリモートデスクトップ接続ができないため、システムウィザードの操作ができません。
    • インポートしたイメージを使用して仮想サーバを作成する場合、以下の項目は応答ファイルで設定したものは適用されません。

      • Administratorパスワード:IaaSポータルまたはAPIにて指定したものです。
      • マシン名:システムで設定されているものです。

ライセンスの取扱い

インポートしたOS種別ごとのライセンスの取扱いを以下に示します。

表 3. インポートしたOS種別ごとのライセンスの取扱い
インポートしたOS種別 ライセンスの取扱い
Windows

インポートしたイメージをもとに仮想サーバを配備した場合の Windows OSのライセンスは、SPLAライセンスへ自動的に変更されます。また、そのライセンスの課金方式は月額課金が適用されます。

Windowsに同梱されているSQL Serverのライセンスについても同様です。

仮想サーバの配備後にKMS認証を実施してください。

Linux
  • Red Hat Enterprise Linux

    インポート前にCloud Accessの利用登録が必要です。インポートしたイメージから作成した仮想サーバに対して、Red Hat社または富士通から購入したサブスクリプションを割り当てて使用します。

    Cloud Accessの利用登録時は以下の情報を指定します。

    • Cloud Provider

      FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O

    • Cloud Provider Account Number

      FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-Oの契約番号

    • Product Name

      移行対象のRHELで使用するサブスクリプションの名前

    • Quantity

      移行対象のRHELで使用するサブスクリプションの種別数(≠割当て数)

    IaaSではOS料金は発生しません。なお、毎月、お客様の「法人名」、「メールアドレス」および「インポートしたRHELイメージから作成した仮想サーバの数」が、Red Hat社に報告されます。Cloud Accessについては以下を参照してください。

    https://www.redhat.com/en/technologies/cloud-computing/cloud-access

    なお、Cloud Accessの利用登録を解除する場合は、RedHat社にお問い合わせください。

    注:
    • 共通ネットワークサービスで提供されるRHUIは使用できません。RHUI Agentをインストールしないでください。
    • IaaSのソフトウェアサポートサービスを受けることはできません。OSに対するサポートサービスはサブスクリプション購入先から提供されます。
  • CentOS

    ライセンスは不要です。

  • Rocky Linux

    ライセンスは不要です。

  • Ubuntu

    ライセンスは不要です。

利用方法

移行元仮想サーバのイメージをIaaS上へインポートするために、以下の作業を実施します。
図: 仮想サーバインポート利用の流れ