FUJITSU Cloud Service K5
IaaS 設計・構築ガイド(デザインパターン・実装サンプル集)

スナップショット/複製パターン


要求事項

K5上に配備する仮想サーバにメンテナンス作業(OSのパッチあて)などを行う前や、増設ディスクのデータを変更する前に、
データを高速に保存し、万一の場合に復旧できるようにしたいといった要求事項に対応するパターンです。

このパターンでは、取得したスナップショットから、新たに仮想サーバを配備する例を説明します。



対応するK5デザインパターン概要

K5では、仮想サーバで利用中のシステムディスクや増設ディスクのスナップショットを取得する "スナップショット" 機能を提供しています。
仮想サーバが起動中/停止中のどちらの状態でも取得可能です。

※仮想サーバ起動中のスナップショット取得にはリスクがあります。後述の 注意事項 を参照してください。


スナップショットのデータは、以下のようにリストアできます。

■従来リージョンの場合

スナップショットリストア先リストア手段リストア概要
APIポータル
システムディスクの
スナップショット
元の仮想サーバ提供済
スナップショットの取得元の仮想サーバのシステムストレージにリストア
新規仮想サーバ提供済提供済仮想サーバ作成時に、設定項目の "仮想サーバのブートソース" に
"ストレージスナップショット" を指定して、新しいストレージにリストア
増設ディスクの
スナップショット
元のストレージ提供済
スナップショットの取得元のストレージにリストア
新規ストレージ提供済提供済ストレージ作成時に、設定項目の "ストレージソース" 項目に
"スナップショット" を指定して、新しいストレージにリストア

■東日本リージョン3/西日本リージョン3の場合

スナップショットリストア先リストア手段リストア概要
APIポータル
システムディスクの
スナップショット
元の仮想サーバ
スナップショットの取得元の仮想サーバのシステムストレージにリストア
新規仮想サーバ提供済提供済仮想サーバ作成時に、設定項目の "仮想サーバのブートソース" に
"ストレージスナップショット" を指定して、新しいストレージにリストア
増設ディスクの
スナップショット
元のストレージ
スナップショットの取得元のストレージにリストア
新規ストレージ提供済提供済ストレージ作成時に、設定項目の "ストレージソース" 項目に
"スナップショット" を指定して、新しいストレージにリストア

※スナップショットから新たな仮想サーバを配備される場合や、確実な動作保証が必要な場合は、
 仮想サーバを停止してからスナップショットを取得してください。



以下では、

  • 配備された仮想サーバのスナップショットを作成する例
  • そのスナップショットをリストアして、新たに仮想サーバを配備する例

を例示します。



構造 (イメージ図)

■スナップショットの取得

■スナップショットのリストア



実装サンプル

1.スナップショットの取得

  • スナップショットを作成する仮想サーバを停止します。
  • 「ストレージ」⇒「ブロックストレージ」と選択した画面で、スナップショットを作成するストレージの「アクション」メニューから、
    「スナップショット作成」をクリックします。
    どのストレージがどの仮想サーバで使用されているかは、「ブロックストレージ一覧」画面の「接続先」列をご確認ください。
  • 「ストレージスナップショット作成」画面で、「スナップショット名」と「説明」を入力し、「作成」ボタンをクリックします。
    「スナップショット名」は、例として "demo_snapshot" とします。
  • 「スナップショット」画面で、新規作成したスナップショットの状態が「available」になっていれば、作成完了です。



2.スナップショットのリストア(スナップショットから仮想サーバを配備)

タブ項目
必須
設定値内容
仮想サーバAZ必須"jp-east-1b"システムを設置するアベイラビリティゾーンを設定してください。
AZ1:"jp-east-1a"
AZ2:"jp-east-1b"
東日本リージョン3、西日本リージョン3ではAZの設定なし
仮想サーバ名
必須"demo_vm02"新規に作成する仮想サーバの名称 を入力してください。
仮想サーバ
タイプ
必須"P-1"仮想サーバタイプ(フレーバー)を入力してください。
仮想サーバの
ブートソース
必須"ストレージ
スナップショット
"
スナップショットから仮想サーバを作成する場合は、
"ストレージスナップショット" を選択してください。
ストレージスナップショット必須"demo_snapshot"作成した仮想サーバのストレージスナップショットを選択してください。
デバイス名必須"/dev/vda"システムストレージの場合、"/dev/vda"の選択を推奨します。
仮想
ネットワーク
利用可能な
ネットワーク
推奨"demo_intnet"作成した内部ネットワークの "demo_intnet" を選択して、
「選択」ボタンをクリックしてください。
アクセスと
セキュリティ
キーペア推奨"demo_keypair"作成したキーペア を選択してください。
セキュリティ
グループ
推奨"SG_external"作成したセキュリティグループ を選択してください。



メリット・効果

スナップショット機能を利用した場合のメリット・効果は以下の通りです。

  • ストレージ単位で高速に丸ごとバックアップ可能
  • 取得したスナップショットからストレージの複製が可能
  • 取得したスナップショットから仮想サーバも簡単に複製可能
    ※オートスケールを考慮しないような用途であれば、クローニング よりも手軽に複製可能



注意事項

  • 本パターンは2017年5月時点のK5(IaaS)で動作検証しています。
    また、2018 年9月時点のK5(IaaS)西日本リージョン3で動作検証をしています。

  • オンライン状態で取得したスナップショットを再利用した場合の動作は保証できません。
    確実な動作を期待するバックアップデータとしたい場合は、
    仮想サーバが停止状態のときに取得するようにしてください。

  • 起動中の仮想サーバの増設ディスクのスナップショットを取得する際は、
    仮想サーバのOS上でいったんマウントを外すと、
    そのディスクへの書き込みを停止した状態でスナップショットを取得できるようになります。
    Linux の場合、sync コマンドを実行後、umount コマンドでディスクをアンマウントします。

  • 実装サンプルのようにスナップショットから新しい仮想サーバにリストアした場合は、
    元の仮想サーバとは別のサーバとなります。仮想サーバのIDも変わります。

  • スナップショットから直接仮想サーバイメージは作成できません。

  • スナップショットは、同一AZ内で利用可能です。



その他

  • スナップショットを取得した元のストレージは、スナップショットを削除しないと削除できません。

  • 取得したスナップショットからストレージを作成し、そのストレージを指定して仮想サーバを配備することも可能です。



関連資料

  • FUJITSU Cloud Service K5 マニュアル
    http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/k5/document/
    • サービスご紹介資料
    • IaaS 機能説明書
    • IaaS サービスポータルユーザーズガイド
    • IaaS APIユーザーズガイド
    • IaaS APIリファレンスマニュアル
    • IaaS HEATテンプレート解説書

(2018年9月検証)