バックアップ機能

対象リージョン:東日本第3/西日本第3

利用中のブロックストレージまたはスナップショットからバックアップを作成します。システムストレージおよび増設ストレージのバックアップも作成できます。

バックアップしたデータは、ブロックストレージやスナップショットとは異なるストレージ機器(オブジェクトストレージ)に保存されます。

バックアップの作成

作成済のブロックストレージやスナップショットからバックアップを作成します。ブロックストレージを利用している仮想サーバが、稼働中、停止中どちらの状態でもバックアップを作成できます。

バックアップしたデータは、取得元ブロックストレージのリストアや別のブロックストレージへの複製に利用できます。

完全バックアップまたは増分バックアップを指定できます。

増分バックアップを利用する場合は、直前に作成したバックアップからの差分データだけを保存します。そのため、保存するデータサイズを削減でき、利用料金を抑えることができます。

ヒント:
  • 対象のブロックストレージにバックアップが存在していない場合は、完全バックアップを指定してください。
  • プロジェクト内で利用できるストレージ容量には制限があります。詳細は制限値を参照してください。
注:
  • 以下をリストアした場合の動作は保証できません。
    • 稼働中の仮想サーバが利用しているブロックストレージから作成したバックアップ
    • 仮想サーバが稼働状態で取得したスナップショットから作成したバックアップ

    以上のバックアップは、メモリキャッシュ上にあるディスク書き込み待ちのデータが含まれないなどが原因で、データの不整合が発生する場合があります。

    確実な動作を期待するバックアップデータを作成したい場合は、停止状態の仮想サーバから取得したスナップショットからバックアップを実施してください。

  • 対象のブロックストレージ、スナップショットのサイズに応じて、バックアップの作成時間を要します。仮想サーバの停止時間を短縮するために、「スナップショットを活用したバックアップ手順」を参照してください。
  • バックアップの過程で、作成されるブロックストレージはバックアップ完了後自動的に削除されます。
  • ”object_size”というキーのメタデータはIaaS基盤によって予約されているため、作成しないでください。
  • スナップショットからバックアップを作成する際は、対象のスナップショットのステータスが「available」であることを確認してください。
  • 増分バックアップを作成する際は、増分対象のブロックストレージから作成された最新のバックアップのステータスが「available」であることを確認してください。
  • 増分バックアップの場合でも、増分データの量によっては、完全バックアップより時間がかかることがあります。

複製したブロックストレージをシステムストレージとして利用する場合は、バックアップ取得前に以下の手順を実施してください。

  • OS種別がLinuxのシステムストレージの場合

    以下のネットワーク設定の削除手順に従ってネットワーク設定を削除してください。

    なお、該当のネットワーク設定が残ったままの状態でバックアップを取得した場合、そのバックアップから作成された仮想サーバとはネットワーク通信できません。その場合は、作成した仮想サーバを削除し、以下の手順の実施後に取得したバックアップから再度仮想サーバを作成してください。

    対象OS
    • CentOS 6.x(xは数字)
    • Red Hat Enterprise Linux 6.x(xは数字)
    その他、以下をOSとする仮想サーバイメージを作成する場合は、該当するネットワーク設定が存在しないため対処不要です。
    • CentOS 7.x(xは数字)
    • CentOS 8.x(xは数字)
    • Red Hat Enterprise Linux 7.x(xは数字)
    • Red Hat Enterprise Linux 8.x(xは数字)
    • Rocky Linux 8.x(xは数字)
    • Ubuntu
    • Red Hat OpenShift Container Platform 3.x(xは数字)
    • Red Hat OpenShift Container Platform 4.x(xは数字)

    ネットワーク設定の削除手順

    1. write_net_rulesの無効化

      /lib/udev/rules.d/75-persistent-net-generator.rules

      上記ファイル内に記載されている以下の行を、コメントアウト(行頭に#を追加)します。

      DRIVERS=="?*", IMPORT{program}="write_net_rules"
    2. /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rulesの削除

      rm -f /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules
  • OS種別がWindowsのシステムストレージの場合

    Windows OSのSysprep手順を実施してください。

    なお、Sysprep手順の実施後に取得したバックアップを、配備済みの仮想サーバのシステムストレージにリストアしないでください。仮想サーバとネットワーク通信ができなくなったり、OSの設定が初期化されたりする可能性があります。その場合は、リストア用のSysprep実施前に取得していたバックアップをリストアすることで、仮想サーバを復旧できます。

ヒント:
  • 作成済みのブロックストレージ(ボリューム)を複製するために、以下の機能を提供します。

    各機能の使い分けは、「スナップショット、イメージ、バックアップの使い分け」を参照してください。

    • スナップショット
    • イメージ
    • バックアップ
  • APIを利用することで、バックアップの上限値と現在の使用量を確認することができます。

    詳細は、APIリファレンス(東日本リージョン3/西日本リージョン3)の「Show absolute limits for project」を参照してください。

  • スナップショットを指定して、増分バックアップを取得することもできます。

    この場合、対象のブロックストレージで直前に作成したバックアップとスナップショット作成時点との差分データが保存されます。

  • 以下の手順でスナップショットを活用してバックアップすることで、お客様のメンテナンス時間を短縮することができます。
表 1. スナップショットを活用したバックアップ手順
バックアップ取得元 バックアップ方法
システムストレージ

以下の手順でバックアップしてください。

  1. システムストレージが接続されている仮想サーバを停止状態にします。
  2. システムストレージからスナップショットを取得します(Create a snapshot)。
  3. 手順1で停止させた仮想サーバを起動状態にします。
  4. 手順2で取得したスナップショットからバックアップを実行します。
  5. バックアップ完了後、バックアップのステータスがavailableになっていることを確認します。
  6. 手順2で取得したスナップショットを削除します。
増設ストレージ

以下の手順でバックアップしてください。

  1. 増設ストレージを仮想サーバから切断します。
  2. 増設ストレージからスナップショットを取得します(Create a snapshot)。
  3. 増設ストレージを仮想サーバに接続します。
  4. 手順2で取得したスナップショットからバックアップを実行します。
  5. バックアップ完了後、バックアップのステータスがavailableになっていることを確認します。
  6. 手順2で取得したスナップショットを削除します。

バックアップの削除

不要になったバックアップを指定して、削除します。

注: 増分バックアップが作成されている場合、ベースとなったバックアップは削除できません。この場合、増分バックアップを先に削除してください。

バックアップからのリストア

以下の方法でバックアップからブロックストレージをリストアできます。

リストア先 バックアップ取得元 リストア方法

バックアップ取得元のブロックストレージ

作成済のブロックストレージ

システムストレージ

以下の手順でリストアしてください。

  1. リストア先のシステムストレージの状態が以下であることを確認します。
    • ステータスがin-useであること
    • バックアップサイズ以上の大きさが確保されていること
  2. システムストレージが接続されている仮想サーバを解放状態にします。
  3. システムストレージをアタッチしたまま、ステータスをavailableに変更します(Reset a volume's statuses)。
  4. バックアップからシステムストレージを復元します(Restore a backup)。

    volume_idパラメーターには、リストア先に指定するシステムストレージのUUIDを指定してください。

  5. リストアが完了し、システムストレージのステータスがavailableになっていることを確認します。
  6. システムストレージのステータスがavailableになっていることを確認してから、ステータスをin-useに変更します(Reset a volume's statuses)。
  7. 仮想サーバを復元します。
注: 手順1でシステムストレージのステータスがavailableの場合、手順4、5だけ実行してください。
増設ストレージ

以下の手順でリストアしてください。

  1. リストア先の増設ストレージの状態が以下であることを確認します。
    • ステータスがin-useであること
    • バックアップサイズ以上の大きさが確保されていること
  2. 増設ストレージを仮想サーバから切断します。
  3. バックアップから増設ストレージを復元します(Restore a backup)。

    volume_idパラメーターには、リストア先に指定する増設ストレージのUUIDを指定してください。

  4. リストアが完了し、増設ストレージのステータスがavailableになっていることを確認します。
  5. 増設ストレージを仮想サーバに接続します。
注: 手順1で増設ストレージのステータスがavailableの場合、手順3、4だけ実行してください。
新規ブロックストレージ

システムストレージ

増設ストレージ

以下の手順でリストアしてください。

  1. バックアップからブロックストレージを復元します(Restore a backup)。

    volume_idパラメーターは、指定しないでください。新規に作成ブロックストレージが作成され、バックアップのリストアが行われます。

  2. リストアが完了し、ブロックストレージのステータスがavailableになっていることを確認します。
注: システムストレージとして再利用する場合は、バックアップ元のブロックストレージがブート可能である必要があります。
ヒント: バックアップ取得元と異なるストレージタイプを、リストア先に指定できます。

注意事項

バックアップを作成したプロジェクト以外から、バックアップを利用することはできません。

APIリファレンス

対象リージョン:東日本第3西日本第3

API詳細(Backup)